2006年 05月 31日
恐怖の人事考課 |
2005年12月決算ぶんの、人事考課のScorecardが回ってくる時期になりました。
私の勤務先ではWeb Baseの人事考課票を使っており、エンゲージメントごとに一つのScorecardを作ることで人事考課がなされます。
ScorecardのInitiationは被考課者。いくつかの中項目に別れています。Technical とか Leadershipとか。。。そのさらに細項目に点数をつけて、たとえばGAAPに対する理解は5点満点中4点、監査基準に関する理解は5点中3点、Total Technicalは3点、という具合。その中項目の得点を積み上げ総合点をだします。これを考課者がレビューし、点数の調整をし、調整の理由の説明と全体的な評価をする1対1の評価ミーティングを行います。ミーティングで合意に達したら二次考課者(通常パートナーやシニアマネジャー)がレビューをし、承認されればその得点が固定。
個人の年間のパフォーマンスは、それぞれのスコアカードに、業務の困難度合いなどを掛け合わせ「総合成績」がついたうえで、Roundtable Meetingで合議の上、「総合評価」がだされています。
日本でうけてきたものとちょっと違うのは、「まずは自分が自分の点数をつける」という点でしょうかね。
さて、人事考課がなぜ恐怖かというと、こんなこといってても仕方ないんですが、自分のはともかく、部下の評価をするのが結構大変だからなんですよ。
去年、Brandnew(1年目)なのに、すべての評価をほぼ満点でScorecardを上げてきた部下がひとりいて、下方修正をするために本人とミーティングで、「ほめつつも感謝しつつもなぜキミを満点にはできないか」を説明するという羽目に陥り、かなり悩んだんですね。笑。
1年目2年目のスタッフは同じ項目を対象に考課を行うので、2年目の方が通常「成績」はよくなります。で、作業に慣れていない1年目のスタッフはたいてい、5点満点の3点くらいで点数がそろうんですが(日本であれば、きっとお互いに相談しあったりしそうだし)、彼はちがった。。。しかし、彼はほかのJobでも同じ「100点満点」を提出してばっさばさと斬られたようで、私が1対1の評価ミーティングで「がんばってくれたのは感謝しているけど。。。」とおそるおそる言い出したときはあっさり理解してくれて話し合いはスムーズに終わったんですが。
後から考えると、やっぱり高い点数を最初っからつけている人のほうが総合得点は高くなる傾向にあり、単なる確信犯かな、とも思ったんですけれどね。いやいや、不敵なアメリカ人、「自分の仕事はなんら欠点はない!」と本気で思っていたかも知れない。わからない。なんにせよ、いつも控えめ控えめにつけてしまう私はちょっと損してるんでしょう。
アメリカで働いて2年が過ぎても、私にとって悩ましいのは、部下との接し方と、クライアントとの接し方。
上司に関しては幸いに、あまり困ったことがないのです。アメリカ人というのは上に立たせておけば機嫌がいいから扱いやすいもんだと、アメリカに5年駐在してた前職の上司が言っていたんですがそれを実感します(笑)。真面目に、期限までに仕事を終え、熱心に仕事に取り組んでいる限り、関係が悪くなることは今のところない。むしろ、私が仕事でへこんでいた時など(ミーティングでクライアントに罵倒されたとか)、励ましてくれて涙が出そうになったこともあるほど。よく見てくれているし、私の仕事の欠点もはっきり指摘してくれます。
わがままだなー、気分屋だなー(これらも、アメリカ人に多い気質)、と思う人ももちろん多いのだけど、不条理なひとはいないし、最近一緒に仕事している方は仕事はきっちりやる、優秀な人ばかりで、納得して仕事をがんばらせていただけてます。とどのつまり、部下として仕事をする、というスタイルに関しては、日本とアメリカでそんなに違いがあるとか、悩むことはありませんでした。
問題は部下。(クライアントはまあ仕方あるまい)
もちろん、相手によりますが、Leadershipとはかくあるべきか、というのを子供の頃から叩き込まれているアメリカ人、自信満々に指導するのは凄く上手(あってるか間違ってるかは二の次で)。偉そうに振舞うのが天然。英語の下手な外国人の私が「これやってくれるかしら。。。」「あれやってくれるかしら。。。」とおたおたと指示をだしていると、一瞬でなめられて、私のふった仕事の優先順位をあからさまに下げられたりするわけです。
でも、これが難しいところで、だったら何でも尊大に頼んだほうがいいのかというと、部下の状況をみず、感謝もせず、作業ばかり投げてあまりケアしないような上司は、アメリカでもやはりものすごく評判が悪い。アメリカ人は子供のころから「褒められて褒められてすくすく育った」タイプが多いというのを忘れてはならない。
ということで、テンションをかなりあげて、あくまで笑顔で、はきはきと命令し、どんな小さな仕事でもオオゲサに感謝し。。。という、なんていうか、演技をしているような状況になってきます。
ゆえに、先日ちょっと日本に帰って仕事をしたとき、日本の提携事務所からヘルプに来ていただいたかたがたが、それはもう、礼儀正しく、丁寧で、かつ迅速な対応で、不平不満も言わず一緒に残業してくれて天使のようで、私は本当に感動したわけです。
で、こっちがこんなにいろいろ悩んでいてもこんな日も。。。
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私の勤務先ではWeb Baseの人事考課票を使っており、エンゲージメントごとに一つのScorecardを作ることで人事考課がなされます。
ScorecardのInitiationは被考課者。いくつかの中項目に別れています。Technical とか Leadershipとか。。。そのさらに細項目に点数をつけて、たとえばGAAPに対する理解は5点満点中4点、監査基準に関する理解は5点中3点、Total Technicalは3点、という具合。その中項目の得点を積み上げ総合点をだします。これを考課者がレビューし、点数の調整をし、調整の理由の説明と全体的な評価をする1対1の評価ミーティングを行います。ミーティングで合意に達したら二次考課者(通常パートナーやシニアマネジャー)がレビューをし、承認されればその得点が固定。
個人の年間のパフォーマンスは、それぞれのスコアカードに、業務の困難度合いなどを掛け合わせ「総合成績」がついたうえで、Roundtable Meetingで合議の上、「総合評価」がだされています。
日本でうけてきたものとちょっと違うのは、「まずは自分が自分の点数をつける」という点でしょうかね。
さて、人事考課がなぜ恐怖かというと、こんなこといってても仕方ないんですが、自分のはともかく、部下の評価をするのが結構大変だからなんですよ。
去年、Brandnew(1年目)なのに、すべての評価をほぼ満点でScorecardを上げてきた部下がひとりいて、下方修正をするために本人とミーティングで、「ほめつつも感謝しつつもなぜキミを満点にはできないか」を説明するという羽目に陥り、かなり悩んだんですね。笑。
1年目2年目のスタッフは同じ項目を対象に考課を行うので、2年目の方が通常「成績」はよくなります。で、作業に慣れていない1年目のスタッフはたいてい、5点満点の3点くらいで点数がそろうんですが(日本であれば、きっとお互いに相談しあったりしそうだし)、彼はちがった。。。しかし、彼はほかのJobでも同じ「100点満点」を提出してばっさばさと斬られたようで、私が1対1の評価ミーティングで「がんばってくれたのは感謝しているけど。。。」とおそるおそる言い出したときはあっさり理解してくれて話し合いはスムーズに終わったんですが。
後から考えると、やっぱり高い点数を最初っからつけている人のほうが総合得点は高くなる傾向にあり、単なる確信犯かな、とも思ったんですけれどね。いやいや、不敵なアメリカ人、「自分の仕事はなんら欠点はない!」と本気で思っていたかも知れない。わからない。なんにせよ、いつも控えめ控えめにつけてしまう私はちょっと損してるんでしょう。
アメリカで働いて2年が過ぎても、私にとって悩ましいのは、部下との接し方と、クライアントとの接し方。
上司に関しては幸いに、あまり困ったことがないのです。アメリカ人というのは上に立たせておけば機嫌がいいから扱いやすいもんだと、アメリカに5年駐在してた前職の上司が言っていたんですがそれを実感します(笑)。真面目に、期限までに仕事を終え、熱心に仕事に取り組んでいる限り、関係が悪くなることは今のところない。むしろ、私が仕事でへこんでいた時など(ミーティングでクライアントに罵倒されたとか)、励ましてくれて涙が出そうになったこともあるほど。よく見てくれているし、私の仕事の欠点もはっきり指摘してくれます。
わがままだなー、気分屋だなー(これらも、アメリカ人に多い気質)、と思う人ももちろん多いのだけど、不条理なひとはいないし、最近一緒に仕事している方は仕事はきっちりやる、優秀な人ばかりで、納得して仕事をがんばらせていただけてます。とどのつまり、部下として仕事をする、というスタイルに関しては、日本とアメリカでそんなに違いがあるとか、悩むことはありませんでした。
問題は部下。(クライアントはまあ仕方あるまい)
もちろん、相手によりますが、Leadershipとはかくあるべきか、というのを子供の頃から叩き込まれているアメリカ人、自信満々に指導するのは凄く上手(あってるか間違ってるかは二の次で)。偉そうに振舞うのが天然。英語の下手な外国人の私が「これやってくれるかしら。。。」「あれやってくれるかしら。。。」とおたおたと指示をだしていると、一瞬でなめられて、私のふった仕事の優先順位をあからさまに下げられたりするわけです。
でも、これが難しいところで、だったら何でも尊大に頼んだほうがいいのかというと、部下の状況をみず、感謝もせず、作業ばかり投げてあまりケアしないような上司は、アメリカでもやはりものすごく評判が悪い。アメリカ人は子供のころから「褒められて褒められてすくすく育った」タイプが多いというのを忘れてはならない。
ということで、テンションをかなりあげて、あくまで笑顔で、はきはきと命令し、どんな小さな仕事でもオオゲサに感謝し。。。という、なんていうか、演技をしているような状況になってきます。
ゆえに、先日ちょっと日本に帰って仕事をしたとき、日本の提携事務所からヘルプに来ていただいたかたがたが、それはもう、礼儀正しく、丁寧で、かつ迅速な対応で、不平不満も言わず一緒に残業してくれて天使のようで、私は本当に感動したわけです。
で、こっちがこんなにいろいろ悩んでいてもこんな日も。。。
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by lat37n
| 2006-05-31 09:12
| Work in America