2006年 03月 17日
西海岸通勤地獄物語 |
(写真:ロンバードストリート)
日本に居る間は混んだ電車での通勤で(東京で仕事があるばあい、私は出来る限り実家にStayするので)、重い鞄をもって日々の通勤に、「あー、車が楽でいいなぁ」と思っている自分、西海岸化してきたかな。。。と思ってたのですが、帰ってきての結論。
電車だったら、疲れてたったままうとうとしても死ぬことは無い。
車だったら死にかねない。
やっぱり、電車が楽で良い。バンザイ、日本の公共交通機関。
そもそも運転があまり得意でない、というか長年日本でペーパードライバーだった私にとって、アメリカで仕事を始めたときの一番大きなチャレンジは、英語のハンディ...ですらなく、「ひとりで運転して遠くのクライアントに無事に到着し」「無事に家に帰ってくる」ということでした。笑っちゃうけど、当時はかなり真剣な話。
一人で渡米したため、周りには運転の練習に付き合ってくれる家族もいませんでしたし。もちろん、気のいい同僚が運転練習に付き合ってくれたりはしたのですが、16歳から運転している多くのアメリカ人にとって、運転することがBig dealであるという意識はまったく無いんですね。。。「運転試験も一発合格してるんでしょ?大丈夫だからー、怖がらないで!」と笑われるも、それとこれは別。(結構サンフランシスコの運転試験は難しいといわれており、運転暦のある友人が軒並み再試になってるんですが、私の試験の時は、なぜか片言の日本語の話せるおまわりさんがすっごく優しい試験でパスさせてくれたんですよねー。。。)
サンフランシスコは坂が多く、アメリカにしては道も狭く、交通量も多く、全米で一番運転が難しい街のひとつなのもありますし、市外にでたらでたで、全米大都市どこでもそうでしょうけれど、通勤ラッシュアワーの渋滞とアグレッシブな運転のドライバーは、運転暦の短いドライバーにとってはかなりの恐怖。
今でも、初めて一人でベイブリッジの向こうのクライアントに行く前、車にのってから「どうか無事に、ここに帰ってこれますように」と真剣に祈ったことを覚えています。。。
その生活も2年を過ぎて、今ではどこにでも気軽に車で出かけていますが、それでも疲れているときには運転はあまりしたくない。遠ければ、なおさら。
(ちなみに。。。わたしの1年後にフィリピンからエクスチェンジでやってきた女性のある同僚は、渡米して2ヶ月の間に4回交通事故を起こし、とうとう事務所から「彼女には運転させるな、公共交通機関でアクセス可能な客にだけアサインしろ」ということになってました。うむむ。。。)
このところ、遠いクライアントに通勤しており、5ブロックほどの近所に住んでいる同僚と毎朝カープールしていました。
カープールの意義は、やっぱり疲れる運転を交代にすることで通勤時間にすこし休めるようにするのと、なにより「カープールレーン」を走れる、それにつきます。
他の州ではどうなのか知らないのですが、カリフォルニアの場合は、道路にダイヤマークがおおきくかかれていたらそこが「優先道路」で、標識に気をつけて走らなければいけません。時間帯で1人のりの普通乗用車もOKだったり、3人以上でないといけなかったり、2人まででよかったり、道路によって違うので。Violationは結構高くって、しかも$271とかいう半端な数字。
サンフランシスコ>サンノゼを結ぶ基幹道路HWY101は、朝の渋滞がキビシイ道路のひとつですが、一番混むポイントの一つである、Woodside - Mountain Viewは二人以上乗っていればCar poolで走り抜けられるので、朝の20分くらいを節約できたりします。
(友人夫婦は一度、3人以上でないといけない道を2人で走ってしまってパトカーに止められ、「彼女のお腹の中には3人目がいるのだ!」と主張してViolationを逃れたそうであり、その辺がアメリカのいい加減でいいところなんですが。。。)
さて、今朝は同僚に乗せていってもらえるはずの朝だったんですが、私はなんと、ピックアップしにきてくれた同僚からの「もうついたよー、出ておいで」という電話で目が覚めました(汗
言い訳をすれば、日本から帰ってまったく土日もない連続勤務、しかも朝7時に家をでて12時くらいに帰る。。。とかいうのを続けている、、、とはいえ、社会人として恥ずかしいこと限りなく。
このクライアントは彼と私の二人がCo-in charge(現場監督)ということで、どちらも朝いないとい事態は避けなくてはなりません。で、同僚には先に行ってもらって、私は15分で身支度をして化粧もせずに家を出ました。
朝の15分は大きい。。。雨風の強い日でもあり、ラジオで交通情報を聞きながら大きな事故がないか確認しながら走ったのに、7時前に家を出てカープールを使えば1時間を切れたはずのところに、1時間40分かかってしまいました。
まず、HWYに乗り入れたとたん、追い越し車線からCHP(California Highway Patrol)が勢いよく走ってきて蛇行運転を始めました。たまに見かけるのですが、事故があったりした場合、安全を図るために後続車のスピードを落とさせる目的で、パトカーがハイウェイの5車線にまたがって蛇行運転をすることがあるんです。その日は、風でトラックから落ちた荷物が2車線をふさいでおり、その回収のための蛇行運転。おかげでCityから出るのにたっぷり20分はかかった。。。
SFO空港周辺でまた渋滞。ここはいつも混む。それから、East Bayとの間の橋とのJunctionが二箇所、ここも必ず混む。237へ分岐したら、真ん中2車線が事故でふさがっている。その辺はカープールさえできたら回避できた渋滞。すいすいの左のカープール車線をみてため息をつきながら、少し前にインターネットのニュースで見た、「人形に帽子をかぶせて人にみたて助手席におき、カープールレーンを走っていてつかまってしまったおじさんの話」をいうのを思い出していました。これが毎朝だったら、おじさんの気持ちもわからなくは、ない。もちろん、周り全員が我慢していることであり、やってはいけないことですが。。。
帰りがまたしんどかった。11時過ぎまでミーティングが続き、脳みそがかなり乾いた状態で外に出たら、ぎょっとするくらい雨足が強く、「こんなことなら宿泊道具一式もってきてこの辺でとまっちゃえばよかった」とおもいつつ「タイヤしばらく替えてないし。。。」とか嫌なことを考えながら運転開始。
案の定、ハイウェイに乗ったばかりの水溜りで、有名なハイドロプレーン現象というのをはじめて経験。タイヤが浮いてきゅるきゅるきゅるーと空転、ぼーっと運転していた私は軽いパニックに。
「滑った方向にハンドルきる!」という脳みそからの声が手に伝達されるまで若干の間。周りに車がいなくて良かったものの、心臓がばくばくして口から出るかと。
そこからサンフランシスコまでの45マイルを緊張しっぱなしですごし、家についた瞬間、疲れきってしばらく車から降りれませんでした。
サンフランシスコ>サンノゼ間には、電車は無いわけじゃないんです。カルトレインというのんびりした電車がはしっています。が、電車の駅までは車で行く、というのが大前提、クライアントから徒歩圏内に電車の駅があるということはまずない。ダイヤもピークアワーをのぞいては1時間に一本。残業とかない、決まった時間だけ勤務しているひとはそれで通勤も可能でしょうが、私たちはやっぱり無理。
そして、サンフランシスコ事務所勤務=クライアントはベイエリア広域であるため、そもそも基本的に「客は遠くにいる」というのが前提。私の会社、シリコンバレー/サンノゼ事務所もあるのですが、その辺は「サンフランシスコ事務所のパートナーの仕事はサンフランシスコで」という方針のため、サンノゼ界隈の客であってもサンフランシスコの仕事だったりして、ロケーションと仕事はあまり紐ついておりません。
これは愚痴っても仕方がない話で、NYC勤務でもNJに客があるといつも泊り込みであったり、Chicagoでも雪道運転を見越して朝5時に家を出ているとか、国土の広いアメリカで同業に従事する人からは同じ苦労を聞きます。
日本でも私はたまたま、都心のクライアントばかりを担当しましたが、埼玉や神奈川のクライアントも東京事務所のお客さんで、結構遠くまで通勤している同僚とかいましたし、それ以前に、地方に工場を多くもつ製造業でも担当しようものなら、年間3分の1くらいは出張ライフだったりもします。
監査に従事するかぎり、どこの国でも「いろんな場所にいけて楽しい~、いろんな会社みれて飽きない~」くらいのメンタリティじゃないと、正直しんどいですね。。。
by lat37n
| 2006-03-17 20:48
| Life in California