2005年 04月 11日
なぜストックオプションは費用計上しなくてはいけないのでしょう?2 |
ストックオプション費用処理への反対がシリコンバレーで盛んであるのは、ここが数多くのベンチャーを生み出してきた地であり、ストックオプションの魅力が減り、従業員に与えにくくなると、ベンチャー企業の、ひいてはアメリカのハイテク産業の活力をそぐ、ということが一番懸念されているのだと思います。
まあ、は反対の旗手である数社は、既に多くのストックオプションを与えており、単純に現在の収益力でストックオプションの費用処理の負担が大きすぎる、ということですが。
今まではストックオプションというインセンティブがあることで、優秀な人材を当初の資金的負担なしに集めることができました。株価と報酬が連動していることで、従業員は株価を上げるべく馬車馬のように働きます。そして、ストックオプションの行使期間がやってくるまでは従業員を会社に縛り付けることができるのも、人材流動性の高いハイテク企業には魅力でした。
経済が上り調子であった90年代後半、ストックオプションが呼び水になってアメリカのハイテク産業は躍進した、その役割は大きかったと思います。
ただし、ストックオプションは所詮「ギャンブル」です。金銭でもらうよりも、もしかしたらたくさんのリターンがあるかもしれない、というその点にだけ拠って、紙切れになってしまうリスクと、現時点のキャッシュを引き換えにしているといえるのです。
すでにオプションを保有している従業員諸氏にとって今回の費用処理の影響はほとんどないでしょう(更に株価が下がる見込みがあるとも、市場はそれを折込済みともいわれているのですけれどね)。むしろ、株価が右肩上がりであるということを前提とした報酬制度におおきく依存した会社と、それを受け入れた従業員諸氏が、報酬制度を見直す時点に来ているのではないでしょうか。
2002年、シリコンバレーを震撼させた自殺事件というのがあります。元Rambus社員で多額のストックオプションを得て退職したフレッド・アブラムソン氏が、自家用飛行機の格納庫でガスホースを引き込み、息絶えた事件です。
彼は自分のストック・オプションが時価換算で500万ドルに達した時点でオプションを行使し、自社株を購入して退社しました。しかし、彼の退社当時に1株103ドルだったRambus株は下落、1年後には6~7ド水準で移行するほどになりました。売り抜けることのできなかった彼の資産は、1年で15分の1になってしまったわけです。
しかも、彼の保有していたのはインセンティブ・ストックオプションであったため、AMT(代替ミニマム税)がかかっていました。これは、ストックオプションを行使して購入したときの市場価格と購入価格の差額を不労所得としてそこにかかる税を払うというものです。そのため、彼は価格の下がった持株を売っても間に合わないほど多額の税金を支払う義務をおいました。サンノゼマーキュリー紙は「彼はTAX残酷物語に倒れた」と報道しました。今から3年近く前のこの時点で、ストックオプションの夢物語は終了していた、と私は思っています。
今後、ストックオプションに変わる新たな報酬制度は開発されるのでしょうか。米マイクロソフトは2004年ストックオプションの全廃を公表し、制限付き株式を現物支給する方向に切り替えました。 マイクロソフトは、2004年6月期からは、発行済みのストックオプションを含め、株式ベースの報酬をすべて費用計上しています。これは、新しいひとつの流れとなるとは思いますが、企業にとっては株式の現物支給を行うということは明らかにコストがかかることであり、ストックオプションのようにブロードベースというわけにはいかなくなると思われます。
この地で仕事をはじめて、いろいろなお客さんを見た私の感想としては、堅実に実績をつんでいる技術志向の会社、砂上の楼閣を建てず基礎から家を作り始めた会社、そういう企業はきちんと収益力をつけ、大きくはばたきつつあります。
会社も、従業員も、技術志向に回帰。いい技術をもっている堅実な会社には会社には目利きのVCファンドが投資し、IPOをサポートする。従業員も十分インセンティヴを持って働く。
そんなサイクルが出来上がればいいな・・・と切実に思っています。
まあ、は反対の旗手である数社は、既に多くのストックオプションを与えており、単純に現在の収益力でストックオプションの費用処理の負担が大きすぎる、ということですが。
今まではストックオプションというインセンティブがあることで、優秀な人材を当初の資金的負担なしに集めることができました。株価と報酬が連動していることで、従業員は株価を上げるべく馬車馬のように働きます。そして、ストックオプションの行使期間がやってくるまでは従業員を会社に縛り付けることができるのも、人材流動性の高いハイテク企業には魅力でした。
経済が上り調子であった90年代後半、ストックオプションが呼び水になってアメリカのハイテク産業は躍進した、その役割は大きかったと思います。
ただし、ストックオプションは所詮「ギャンブル」です。金銭でもらうよりも、もしかしたらたくさんのリターンがあるかもしれない、というその点にだけ拠って、紙切れになってしまうリスクと、現時点のキャッシュを引き換えにしているといえるのです。
すでにオプションを保有している従業員諸氏にとって今回の費用処理の影響はほとんどないでしょう(更に株価が下がる見込みがあるとも、市場はそれを折込済みともいわれているのですけれどね)。むしろ、株価が右肩上がりであるということを前提とした報酬制度におおきく依存した会社と、それを受け入れた従業員諸氏が、報酬制度を見直す時点に来ているのではないでしょうか。
2002年、シリコンバレーを震撼させた自殺事件というのがあります。元Rambus社員で多額のストックオプションを得て退職したフレッド・アブラムソン氏が、自家用飛行機の格納庫でガスホースを引き込み、息絶えた事件です。
彼は自分のストック・オプションが時価換算で500万ドルに達した時点でオプションを行使し、自社株を購入して退社しました。しかし、彼の退社当時に1株103ドルだったRambus株は下落、1年後には6~7ド水準で移行するほどになりました。売り抜けることのできなかった彼の資産は、1年で15分の1になってしまったわけです。
しかも、彼の保有していたのはインセンティブ・ストックオプションであったため、AMT(代替ミニマム税)がかかっていました。これは、ストックオプションを行使して購入したときの市場価格と購入価格の差額を不労所得としてそこにかかる税を払うというものです。そのため、彼は価格の下がった持株を売っても間に合わないほど多額の税金を支払う義務をおいました。サンノゼマーキュリー紙は「彼はTAX残酷物語に倒れた」と報道しました。今から3年近く前のこの時点で、ストックオプションの夢物語は終了していた、と私は思っています。
今後、ストックオプションに変わる新たな報酬制度は開発されるのでしょうか。米マイクロソフトは2004年ストックオプションの全廃を公表し、制限付き株式を現物支給する方向に切り替えました。 マイクロソフトは、2004年6月期からは、発行済みのストックオプションを含め、株式ベースの報酬をすべて費用計上しています。これは、新しいひとつの流れとなるとは思いますが、企業にとっては株式の現物支給を行うということは明らかにコストがかかることであり、ストックオプションのようにブロードベースというわけにはいかなくなると思われます。
この地で仕事をはじめて、いろいろなお客さんを見た私の感想としては、堅実に実績をつんでいる技術志向の会社、砂上の楼閣を建てず基礎から家を作り始めた会社、そういう企業はきちんと収益力をつけ、大きくはばたきつつあります。
会社も、従業員も、技術志向に回帰。いい技術をもっている堅実な会社には会社には目利きのVCファンドが投資し、IPOをサポートする。従業員も十分インセンティヴを持って働く。
そんなサイクルが出来上がればいいな・・・と切実に思っています。
by lat37n
| 2005-04-11 13:24
| 会計基準


